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「大音量でお聴き下さい」の罠

「大音量でお聴き下さい」
楽曲を紹介する時、曲の良さを余すところなく聴き取って欲しくてついつい混ぜ込んでしまうこの文句。
楽曲制作者以外の第三者が「仔細に聴くと更にイイよっ♪」って意味で言ってるなら全然問題無いんですが、曲を作った本人が言ってると、ちょっと「ん?」って思ってしまいます。

「大音量で聴いて下さい」って言ってるという事は、うがった解釈をすると「大音量で聴かなければショボい音源です」って言ってるみたいなんですよね^^;。

人間の耳は中域(ざっくり言うと250Hz~5kHz)くらいの音に対して感度が強く、8kHz以上の高域や125Hz以下の低域に対しては感度が弱くなってるそうです。一番感度が高いのは、確か2kHz付近だったかな。丁度、女の人の悲鳴とか赤ちゃんの泣き声くらいの高さ。
こうやって聞くと、「聴覚」って人の生物としての本能や生態に密接な関わりのある感覚なんだなぁと改めて思いますよね。
で、だからMIXでは中域よりも低域や高域を強めにブレンドしないと、バランス良く聴こえないってワケです。

特にローエンドの50Hzからベース帯域の150Hz、そこから音の厚みの要になる500Hzくらいまでや、リズム感、アクセントや盛り上がり感などを制御する8kHz以上の音の混ぜ具合はMIXでもかなり気を遣うトコで、あれこれ模索の日々を送ってる所なんですが。

そこら辺が「ちょっと~…(~_~;)」って思ってしまう音源でも、大音量で聴くとそれなりに迫力のあるサウンドに聴こえるんです。自分の過去の音源を聴いてるから余計分かるんですが。
コレは何でかっていうと、そこそこの音量で聴いてる時は低域や高域に対する耳の感度が悪くて拾えなかった音が、全体の音量を上げる事によって閾値を超えて聴こえるようになるからです。

詰まる所、「大音量で聴いて下さい」って音源制作者本人が言うのは、MIXの悪さを音量で誤魔化そうっていう「逃げ」だって思ってしまうワケです。
勿論、そうでない曲も沢山あるのだろうけど。

MIX…というよりもコレはマスタリングの範疇かも知れないけど、作り手としては飽くまで聴き方を選ばず、ちょっとした音量で聴いて貰っても曲の良さが伝わるようなエンジニアリングを目指したい所。
「は?一譲なにソレ(´・_・`)」ってチョコっとした音量で聴いた人が、「おっ?」って思って思わずボリュームを上げてしまう、そんな音源を作れるようになりたいと夢見て、日々音と格闘してますw。
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プロフィール

一譲 計

Author:一譲 計

空想的・幻想的なモチーフが好き。オーケストラを多用します。
デジタルお絵描き初心者です。2015年の暮れから練習を始めました。
楽曲はWebサイトからご案内しております。

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